LiNESが行っているマーケティングは、従来型のユーザー・マーケティングではなく、
米国有力メーカーの一部がいち早く取り入れているショッパー・マーケティングです。
ショッパー・マーケティングを積極的に取り入れているメーカー事例のひとつとして、人気の消臭剤商品があります。
ニオイを抑えてくれるという商品ですが、現在はただその効果を直接ユーザーに訴求しているわけではありません。
汗の臭いが気になる夏場は「家の中を丸ごと洗濯」と押し出し、秋や春には「花粉症対策」をアピールします。
時期によって異なるニーズに合わせて、ショッパーの購買意欲を喚起するわけです。
つまり、ショッパー・マーケティングとは消費者の行動を司るマーケティングということになります。
LiNESのショッパー・マーケティングは企業規模にもよりますが、ショッピングモール出店段階での
コンセプト立案からプロモーションを受け持つことが多くあります。
また、衣料品事業などの個別の事業に対して新規事業コンセプトの立案からプロモーション、
効果検証までを行うことも少なくありません。
一般的にマーケティングはリサーチ部門と実行部門に分かれていることが多いものですが、LiNESではそれらをひとつと捉えています。
そのため、根幹となる課題定義にブレが少なくなるのが特徴です。
特に、川上にあたるリサーチ部門の業務を重要視しており、実行部門は別でも問題ないと考えています。
例えば、ホームセンターや大型スーパーマーケットで『掃除』をフィーチャーした企画を実施するとします。
当然のことながら、年末の掃除と夏の掃除、秋の掃除では意味合いが異なります。
秋の掃除で私たちが提案するコンセプトは、ダニやカビの予防です。
花粉の時期でもあるため、ダニ・カビ・花粉対策の商品を揃えて訴求することが消費者の購買意識を高めることつながります。
闇雲に「よそがやっているから、うちも…」では効果は出ないでしょう。
また、お客様に気づきを与え、購買により満足度を高める際に、必ずしも価格を安くする必要はありません。
お客様が満足すれば再びショッパーとなって戻ってきてくれます。
中長期的な経営視点で見た場合、お客様の意識を向上させるショッパー・マーケティングは非常に有効なのです。